普段の食事から何気なく取り入れることができる、緩やかな糖質制限「ロカボ(Locabo)」をご存じでしょうか。ロカボの定義や効果、具体的な実践方法について紹介していきます。
ロカボとは? その定義と効果について
ロカボとは「一般社団法人 食・楽・健康協会」の登録商標のことで、食事を楽しみながら適切な糖質摂取を目指す概念のことを言います。
ロカボの語源は「Low + Carbohydrate」であり、直訳すると「低い糖質(低い炭水化物)」という意味です。最近ではロカボメニューやロカボダイエットのような使われ方もしています。いずれも「低い糖質」というニュアンスを含んでおり、糖質制限を表した用語と言えるでしょう。
なお、ロカボと似た言葉に「ローカーボ」がありますが、ローカーボは糖尿病対策に使われる手法で、極端に糖質制限をする意味合いが含まれます。一方、ロカボは緩やかに糖質制限をすることで、血糖値を適正範囲にするために提唱されています。
ロカボの考え方と取り組み方
ロカボは「楽しく続けたくなる」をモットーとして提唱されています。
そのため、ロカボでは通常のダイエットとは異なり、無理な糖質制限はしていません。その代わりに「食べる時に工夫をすること」を念頭に置いています。
その工夫が糖質を適正範囲にすることです。ロカボによれば、糖質の適正範囲は「20~40グラム/1食」で「70~130グラム/1日」であるとしています。この1日の摂取量は朝昼晩の三食と、間食(10グラム)を合わせた糖質量です。
この基準さえ守れば「おかずを多くする」「肉類・魚類も多くする」「アルコールも飲む」といった行為も許されます。つまり、糖質制限だけを課して、脂質やたんぱく質などに制限を課しません。むしろ、満足のいくまで食事を楽しむことで長く続けられるようにしているのです。
ロカボの効果について
ロカボに則って糖質を適正範囲内にすることで、下記の効果が得られると期待されています。
・ 体重の減少(ダイエット効果)
・ 血糖値の改善(生活習慣病の予防効果)
・ 血中脂質の改善
・ 血圧の改善
こうした効果が期待できるのは、上記の症状の主な原因に「食後高血糖(食後の血糖値が大きくあがる)」があるからです。血糖値が高くなると、さまざまな病気を引き起こす引き金になります。具体的には「心臓病」や「脳卒中」などの生活習慣病が挙げられるでしょう。つまり、ロカボに取り組むことで血糖値を正常範囲にして、生活習慣病を予防することもできるのです。
それでは普段の生活にどのようにロカボを取り入れればいいのでしょうか。コツを確認してみましょう。
ロカボを生活に気軽に取り入れるコツ
普段の生活にロカボを簡単なところから取り入れるポイントは、3つあります。
・ 低糖質甘味料
最近では、シュガーレス商品が増えてきています。甘み自体は同じ程度ですが、含まれている糖質量が異なります。なるべく低糖質甘味料で糖分を補うようにするといいでしょう。
・ ロカボ商品
一般社団法人 食・楽・健康協会では、ロカボに当てはまる商品のパッケージに、ロカボマークを付けています。紀文食品からはおからとこんにゃくで作られた「糖質0g麺」のシリーズや、成城石井からは糖質カットの弁当が販売されています。他に、糖質を抑えたシュークリームなどのスイーツやパンもあり、スーパーやコンビニなどでも糖質オフの商品を見かけることも増えてきました。
・ 糖質が低いお酒
同じお酒でも、醸造酒か蒸留酒かで糖質量は異なります。醸造酒は糖質が高いお酒が多く、蒸留酒は糖質が低いものが多いです。飲み会の席などでお酒を飲むなら、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を飲むと糖質制限ができるでしょう。
最近注目が集まっているロカボについて紹介してきました。自分の体型が気になる方や健康が気になる方は、すぐに始められるロカボを試して健やかなビジネスライフを目指してみてはいかがでしょうか。