東洋医学の知恵で病気知らずの健康体に!

風邪をひいたら病院に行って薬をもらい、それを飲んで治す……。多くの人が体の不調を感じたときに受けるこのような医療行為は、西洋医学と呼ばれる医学の分野に属するものです。

これに対して、あえて科学的な薬や治療法を使わず、体の自然治癒力を高めて病気を治すのが東洋医学です。

この東洋医学は体に負担をかけずに根本から健康になれるとして、最近ではビジネスパーソンの間でも話題になっています。

数千年の歴史を生き抜いてきた論理的な伝統医学である東洋医学の健康観を探ります。

風邪以前の「未病」を治す東洋医学の知恵


東洋医学の根底に流れているのは、古代中国の哲学。

「陰陽学」や「五行学」、「臓腑学」など、しっかりとした学問体系や理論が存在しています。

そのなかに「未病治」という考え方があります。文字どおり、病になる前に治すという意味で、「未病を治す(ちす)」といいます。

未病というのは、病気ではないけれど、健康でもないという東洋医学の捉え方です。

東洋医学には、人体について臓腑(五臓六腑)や経路(気の流れる通路で、ツボを結んだ線)などの概念があります。この臓腑や経路で体内のバランスが崩れることが、病の本質だという判断です。

体内のバランスの崩れが許容範囲を超えると病気になるため、体内のバランスを整えることが病気の予防になるそうです。

未病には、食欲不振や睡眠障害といった不定愁訴も含まれます。そのような不調を放置せず本来の状態へ近づけるための治療が東洋医学なのです。

「大食いをすると風邪をひきやすくなる」って本当?


「食べないと体力が落ちる」と言われてきた人もいるのではないでしょうか。

しかし、東洋医学の考え方ではむしろ逆で、「大食いをすると風邪をひきやすくなる」とまで言われているのです。

風邪をひいたときには、普段より食欲が落ちる方も多いでしょう。これは理にかなっていて、胃腸を休ませ、消化活動に使うエネルギーを治癒力に回しているのです。

東洋医学では、風邪をひいた時はむしろ何も食べないか、温かく消化のよいものを少量食べることを勧めています。栄養のあるものは消化の悪いものが多いため、かえって風邪を悪化させることがあるそうです。

大食いの人はいわば常に食べ物をとっている状態です。

内臓が常に働き、疲れてしまうという悪循環が起きやすいので、結果的に風邪をひきやすいと言われているそうです。

「腹八分目がよい」と昔からよく言われるのは、人間がもっている自己治癒力を考えた知恵なのかもしれません。

もっと健康になる食べ方のコツ


東洋医学には「食養生」という見方があります。食養生とは食べものを上手にとることで、健康を維持促進しようというものです。

食養生の基本理念は、病気でないときは薬を飲まず、食材や食べ方の工夫などで健康を維持しようとするところにあります。むやみやたらに外からはたらきかけるのではなく、体からの声に耳を傾けることを重視しています。

寒い季節や暑い時、年齢や体調、心の状態などにより、食べたいものの種類も量も変わります。

これは人間に「そのとき体が必要とするもの」をかぎ分ける力が備わっているという証拠なのだそうです。

東洋医学では、食材を以下のような3つの食性で分類します。

1. 体を温める食材:もち米、かぼちゃ、玉ねぎ、にら、ねぎ、山芋など

2. 体から熱をとる食材:トマト、なす、ほうれん草、豆腐、大根など

3. 中間の穏やかな食材:玄米、じゃが芋、椎茸、春菊、キャベツなど

東洋医学の食事では旬の食材をできるだけとることがポイントです。

例えば、朝食に消化を助ける朝がゆを食べるのは、食べるタイミングとしても理想的です。

体を内側から健康にしていく東洋医学の知恵は、とても奥深く貴重なものです。日常生活の中に、無理なく取り入れてみてはいかがでしょうか。