第9回「正しい食事の形」とは?(実践編)(前編)

竹並恵里 博士
東京大学社会連携講座 特任研究員
博士(学術)
管理栄養士
健康運動指導士
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第8回「『正しい食事の形とは』?(基礎編)」では「主食・主菜・副菜」が揃ったものが「食事の基本の形」と紹介しました。

ご自身の食事を、この基本の形と照らし合わせてみていかがでしたでしょうか?何が足りていなかったか?何を摂りすぎてしまっていたか?具体的な問題が見えてきたと思います。

一方、「毎食3つを揃えるなんて無理―!」というご意見も実際にはよくいただきます。でも、基本の形にすることを難しく考える必要はないのです。

どのように活用したらよいか、今回は実践法をご紹介しましょう。

大事なのは皿数ではなく…


「主食・主菜・副菜を揃えましょう」と聞くと、食事は最低3皿が必要と思われるかもしれません。

この誤解が「作るのが面倒」「お金がかかる」だから「やらない」と多くの方に諦めさせてしまう要因のように思います。

もちろん、先に理想を言ってしまえば、「主食・主菜・副菜」がそれぞれ独立して食卓に並んでいた方が望ましという点はあります(その理由はまた別の講座でご紹介します)。

しかしそれはまだ先のお話で大丈夫。せっかく基本の形に照らし合わせて自身の食事問題に気が付いたのに、無理と決めつけそれを放置してしまうのは余りにもリスクの高いお話です。

食事は、日常の少しの「意識」で良い方向に変わっていきます

「主食・主菜・副菜」の考えはその意識を生み出すきっかけとしてきっとお役に立つはずです。

ではどのように役立てたらよいかと言いますと、目の前の食事に「主食・主菜・副菜」それぞれに該当する「食品」があるかどうかの確認に使ってください。まず、それら食品は何かをおさらいしておきましょう。

主食・主菜・副菜に該当する食品は?
・主食(エネルギー源):ごはん、パン、もち、麺類、シリアル類、いも類など
・主菜(体づくりの材料):肉・魚介類・卵・大豆製品
・副菜(コンディショニング):野菜・海藻・きのこ

少々大変かもしれませんが、上記の食品の分類だけは、是非頭に入れておきましょう。必ず皆さんの健康づくりに役立つ知識になるはずです。

皿数にこだわるのではなく、重要なポイントは栄養学的特徴による食品の分類と確認です。

少しの「意識」で食事は変わる


では、早速実践してみましょう。例えば、ランチが「鉄火丼」の場合。鉄火丼には、ごはんとまぐろが入っているので、「主食」と「主菜」に該当する食品があり、鉄火丼一品ですでに2つクリアです。あとは「副菜」に該当するもの、例えば、わかめの味噌汁をつければ、これで基本の形は揃います。もし小鉢で、ほうれん草のお浸しなどがさらにつけられれば完璧です。

コンビニで買う場合などはどうでしょうか?菓子パンだけで済ませてしまえば、「主食」のみで終わってしまいますが、ここを卵サンドやハムサンドなどの具沢山のサンドイッチに変えることで、あっという間に「主食」と「主菜」2つが揃った形にできます。これに野菜ジュース*をつければ基本の形はクリアです。(*野菜ジュースと野菜そのものを食べる違いはまた別の講座でご紹介します。)

忙しい朝は、トーストだけで終わりがち。でもこれでは「主食」のみでエネルギー源だけしか得られません。実は、朝に体づくりの材料(=主菜)を摂ることが筋育では大切なポイントとなります(その理由はまた別の講座で)。ゆで卵をプラスしたり、トーストにハムやツナ缶をプラスしたりしてみましょう。「副菜」には、例えば、市販されているキャベツの千切りやミニトマトをつければOKです。包丁やまな板を使わなくても、意外と簡単に基本の形を揃えることは可能です。

また、一品で「主菜」と「副菜」が揃うものとして、具沢山の味噌汁やスープがおすすめです。豚肉や冷凍の鶏だんご(主菜)などと一緒に、たっぷりの野菜やきのこ(副菜)を合わせて時間のある時に作っておけば、朝食の頼もしい味方になります!(我が家の定番です)

危険な組み合わせを避けるためにも …


続き…… 「正しい食事の形」とは?(実践編)(後編)