長年の肩こりや腰の痛み、原因不明のだるさやめまい……。病気というほどではなくても、毎日続くとツラいものです。
放置するとどんどん悪化していき、仕事のパフォーマンスまで下げてしまいかねません。
これらの症状の一因となるのが、体の「ゆがみ」です。
たかがゆがみと思っている人こそ注意が必要です。見た目だけでなく、血流や内臓機能にまで影響を及ぼしてしまうことがあるのです。
対策をたてるには、まず自分の体のどこがゆがんでいるのかをしっかりと把握することが大切です。
自宅でできる簡単なゆがみチェック方法をご紹介しましょう。
目次
顔を見れば体のゆがみが分かる理由
体のゆがみをチェックするというと、全身鏡の前に立って両肩の高さや左右の腰骨の位置をチェックすればよいのかと思われるかもしれません。
でも、もっと気軽で簡単にできるチェック方法があります。それは、顔を見る方法です。
わたしたちの体は各部がつながっていて、それぞれが影響を及ぼし合いながら機能しています。たとえば、肩と顔も例外ではありません。
デスクワークなどで前傾姿勢を長時間続けていると、肩の筋肉が収縮し、固まってきてしまいます。
こうするうちに筋肉が正常な位置からズレた状態が「肩のゆがみ」です。
ズレた筋肉はどんどん硬くなり、周囲の血行を悪化させるとともに、その部分の皮膚も一緒に引っ張ってズラしてしまいます。これにより、顔の皮膚も引っ張られてたるみ、口角やほお、目じりが下がってみえてしまうというわけです。
このように、顔には体のゆがみが如実にあらわれます。言い換えれば、顔の左右差を見れば、どのくらい体がゆがんでいるかが分かるということなのです。
体のゆがみ度はこの10箇所を見ると分かる
顔のチェックを行うときのポイントは、左右差があらわれやすい箇所を把握して、その部分をしっかりと観察することです。
体のゆがみの影響が特に出やすいのは、下記の10箇所です。
ゆがみがあれば1箇所につき1点を加算し、自分の体のゆがみ度をチェックしてみましょう。
1. 頬骨 2. 目 3. ほうれい線 4. 顔の輪郭、幅 5. 下あご 6. 耳 7. おでこ 8. 後頭部 9. 口(口角) 10. 眉毛
1の「頬骨」については、左右の高さに差がないかはもちろん、形に違いがないかも確認しましょう。どちらかのほうがでっぱっていると、それだけゆがみも激しい傾向にあります。
2の「目」については、大きさと目じりの位置に注意しましょう。まぶたのたるみや血行不良によるむくみによって目が小さくなっていたり、皮膚が引っ張られて目じりが下がっていたら要注意です。
3の「ほうれい線」については、線のカーブの形のほか、しわの位置や深さにも注目しましょう。
4の「顔の輪郭や横幅」、5の「下あご」の高さ、6の「耳」の位置、9の「口角」の位置、10の「眉毛」の位置などは、鏡で無意識に見ていると意外と左右差に気づきにくいものです。正面を向いたときの顔写真を撮り、長さをはかってみるのもよいでしょう。
7の「おでこ」や8の「後頭部」は、さわってチェックしてみましょう。この部位は、本来丸みがあってなめらかなものです。でこぼこしていたり、丸みが左右非対称な場合は、ゆがみがかなり進行している証拠です。
このほか左右どちらかだけ肌がたるんでいたりむくみがひどい場合は、それもゆがみのサインになります。
パーツの形や位置だけでなく、肌の状態や質感も含めてトータルでチェックするようにしてみてください。
ゆがみを正せば疲れも消え去る
顔のチェックで5点以上の結果だった人は、全身にかなりのゆがみが生じていることが予想されます。
姿勢を正して適度な運動習慣をつけるとともに、整体の施術などを受けてゆがみをととのえていくことをおすすめします。
先述の通り、体のゆがみが原因で起きている体の不調は思いのほか多いものですが、ゆがみを解消すればこれらが芋づる式に解消される場合もあります。
チェックは定期的に行い、初回からの変化を記録しておくと、モチベーションアップにもつながります。
顔の左右差が解消する頃には体の不調や疲れも消え去り、毎日をより生き生きと過ごせるようになっていることでしょう。
ゆがみのチェック方法や疲労回復のメカニズムについてもっと知りたい人に
『わずか10分 寝るだけ整体』(熊谷剛著・海拓舎出版)
<取材協力>
一般社団法人 疲労回復協会
小川響也さん