昔から「食べてすぐ寝ると牛になる」と言われることもあり、食後に寝ると太ると思っている人は多いのではないでしょうか。
しかし実際は、食後はむしろ動かずに寝ていたほうがやせやすいのです。
このようなダイエットにまつわる間違った思い込みは、意外とたくさんあります。
今回は「運動」にテーマをしぼって、ダイエットに効く知識を3つご紹介しましょう。
目次
お腹を割るには腹筋より有酸素運動がいい
割れた腹筋は、カッコいい身体の象徴です。くっきりとしたシックスパックを目指して、日夜腹筋に励んでいるという話もよく聞きます。
しかし、実は腹筋(腹直筋)は生まれながらにして誰でも割れているものです。ブヨブヨしたお腹に悩む人は、お腹まわりの脂肪で筋肉の形が隠れているだけなのだそうです。
そのため、筋トレをしなくても有酸素運動をしてお腹の脂肪を減らせば、割れたカッコいいお腹を実現できるというワケなのです。
男性はお腹まわりに脂肪がつきやすいので、この「お腹の脂肪を減らす」ということが難しいのですが、腹直筋は皮下脂肪のすぐ下にあるので、エクササイズの効果が比較的早く現れます。
軽いウォーキングなどを日課にして、憧れのシックスパックを手に入れてみてはいかがでしょうか。
筋トレは夜より朝するのがいい
「運動は朝するもの」というイメージがある人は多いと思いますが、実はこれには科学的な根拠があります。
朝は自律神経のはたらきにより、身体がエネルギーを効率的に使える状態になっているのです。
人間の身体は、交感神経がメインではたらく「活動モード」と、副交感神経がメインではたらく「休養モード」の間を行ったり来たりしています。
朝は身体が活動モードのためエネルギーがどんどん消費されますが、休養モードに入っている夜は同じ量の運動をしても朝のような効果は出ません。
むしろ運動をすることで身体が休養モードに入りづらくなり、脳や内臓のメンテナンスが行き届かない可能性もあります。
やせたい人からすると24時間交感神経がはたらいてくれればと思うかもしれませんが、身体は休養なしに動き続けることはできません。
自律神経のサイクルに合わせて朝から昼にかけては積極的に動き、夕方から夜にかけては静かに休むというのが、健康的なダイエットの鉄則なのです。
食後は運動するより寝たほうがやせる
運動はダイエットに欠かせないものですが、しないほうがいいタイミングもあります。食事をしたすぐ後はその1つです。
昼食を食べた後、たまらなく眠くなった経験がある人は多いのではないでしょうか。
これは食事によって増えた血糖を下げようと分泌されたインスリンによって副交感神経が活発になり、身体が休養モードに入っている証拠です。血液を内臓にどんどん送って、食べたものを消化しようとしているのです。
このとき無理をして動き出すと交感神経が活発になり、基礎代謝におけるエネルギー消費がさまたげられてしまいます。仕事をしていればゴロンと横になるのは難しいと思いますが、できるだけ安静に過ごすのが得策と言えるでしょう。
積極的に動くといいのは、食後30分ほど経った時点です。インスリンによって一度下がった血糖値が上がり出すこのタイミングで軽い運動をすると、身体がエネルギーを蓄えて脂肪を合成するのを防ぐことができます。
休憩時間を利用して軽い散歩などをすると、リフレッシュ効果も期待できて一石二鳥です。
<取材協力>
日本ダイエット健康協会 理事
古谷 暢基(ふるや まさき)さん
医学博士/医事評論家/健康・美容事業プロヂューサー
一般社団法人 和ハーブ協会理事長/日本ダイエット健康協会 代表理事
日本ルーシーダットン普及連盟代表
予防医学や統合医療、美容関連の団体トップ、幹部を歴任。「和ハーブ」「ダイエット検定」「ルーシーダットン」など数々の健康美容・ソーシャルビジネスをプロデュース。日本人のための健康・美容・医療に関し“正しい知識と意識”の啓発に取り組む。2016年2月には、自著『カルボナーラとペペロンチーノどっちが痩せる?』発売。
著書・監修の書籍・DVDは30を超える。テレビ・雑誌等のメディア出演多数。